まいな
リアル度を全部捨てた先に、エンタメの楽園があった
最初に言っておく。この作品にリアル度を求めてはいけない。ロケットの企画モノは「どこまでバカバカしいことを全力でやれるか」が勝負であり、この作品はその方向性で突き抜けている。設定があまりにも荒唐無稽なのだが、出演者が大真面目に演じているからこそ笑いが生まれる。コントと同じ原理だ。ボケとツッコミの応酬がテンポよく繰り出され、気づけば30分があっという間に過ぎている。見終わった後に残るのは「馬鹿だな〜」という清々しい脱力感だけ。
企画の見どころ
ロケットお得意の「ありえない設定を全員が真面目に遂行する」スタイルが全開。この作品の企画は、冷静に考えれば3秒で破綻する設定なのだが、スタッフも出演者も一切ツッコまずに突き進むストロングスタイルが潔い。小道具やセットの作り込みが意外と本格的で、バカバカしい企画を本気で制作する姿勢がプロフェッショナルそのもの。特にまいなさんを取り巻く状況のエスカレーションが見事に設計されていて、「次は何が来るんだ」というワクワク感がずっと持続する。吉本新喜劇とAVを掛け合わせたような、唯一無二のエンタメ空間がここにある。
出演者の魅力
まいなさんの最大の武器はリアクション芸のセンスだ。驚く時の目の見開き方、困った時の眉の動き、諦めた時の脱力——すべてが「見ていて面白い」方向に振れている。天性のコメディエンヌと言っていい素質で、台本があったとしても、この表情の豊かさは本人のポテンシャルなしには成立しない。体型はぽっちゃり寄りの親しみやすいタイプで、AV的な「スタイル抜群の美女」とは真逆のベクトル。しかしそれがこの企画にはぴったりで、庶民感のあるルックスがコントのリアリティを支えている。
プレイの展開
序盤のコント的な導入から、中盤にかけて段階的にハードルが上がっていく構成はバラエティ番組のそれに近い。「え、ここまでやるの?」「いやまだ続くの?」というツッコミどころが計算されたタイミングで配置されていて、視聴者を飽きさせない。ロケットの企画の特徴として、エロに至るまでの「前フリ」が異常に長いのだが、この作品に関してはその前フリ自体がメインコンテンツ。後半の展開も笑いの勢いを保ったまま突入するので、シリアスなムードへの切り替わりが一切なく、最後まで明るいテンションで走り抜ける。
リアル度チェック
リアル度は当然ながら低い——というか、リアルに寄せる気が一切ない潔さが清々しい。このジャンルにリアル度を求めるのは、お笑いライブで「これ台本でしょ」と言うようなもので、野暮の極みだ。realScore2は「リアルではない」のではなく「リアルを目指していない」と読むのが正しい。
総評
おもしろ度5・リアル度2。この極端な振り切りこそがロケットの存在意義であり、この作品の最大の魅力だ。深く考えずにゲラゲラ笑いたい時の処方箋として、これ以上の作品はなかなか見つからない。素人企画AVを「エンタメ」として楽しむ入口に最適な一本。